プレミアムドック

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充実した検査内容で健康チェック

プレミアム

ごあいさつ

21世紀型の医療は、「治療から予防へ」といわれております。現在の健康状態を把握し、潜在的に可能性のあるがんの発生をいかに抑えるか、予防するか。全身の検索をすずかけセントラル病院の専門医師と共に考えていきましょう。

“プレミアム”がんドックは、当院の知識と最新機器をはじめとした総合的な観点から実現をいたしました。『生涯健康であるために』 皆様のお役に立ちたいと願っております。

平成25年4月
すずかけセントラル病院

「準無被ばく 繰り返しがんドック」という新しい価値のご提案

繰り返し検査

全く新しいMRIによるがんスクリーニング。PET検査と異なり完全に被ばくがゼロなので、繰り返し検査をして、がん病巣の見逃しを可能な限り防ぎます。

準無被ばく

肺がん検診のために、1mSvという超低被ばくに調整した胸部CTを年1回行います。その他の全ての検査は、完全に被ばくがゼロ。「累積医療被ばく」を心配せず受けられます。

頻繁な説明

患者さんの要望で一番多いのがこのことです。限られた人数の人間ドックなので、毎回専門医による説明が受けられ、そのときに疑問を解決できます。

“新型” がんスクリーニングドック

『1年ごと』では見逃しがあり得る
健康診断といえば『1年ごと』がお決まりですが、皆様はこのことに疑問を感じられたことはありませんか。「検診を受けて安心していたのに、進行がんが見つかった」という話は時々聞かれます。

検診を受けた時にがんが小さめで見つからず、次に受けた時には大きくなっていて、転移もしている(下図参照)といったような状況は起こり得ます。またより身近な例としては、お忙しい皆様の中で、1年に一度の検診の機会を逃してしまい、2年ぶりの検査で進行がんが見つかった方がいるということをお聞きになったこともあるのではないでしょうか。今の医学では、1センチぐらいで見つかれば、その多くは小さな治療ですみます。しかし、3センチ以上になり転移を生じると、延命はできても根治(完全に治ること)は難しくなります。
注:これはイメージで、癌の成長速度は一様ではありません。しかし頻繁な観察で、より小さな段階での検出が容易になります。
それでも『1年ごと』にする理由
それでも1年に1回しか行わないのは、コストの問題があるからです。しかしこれだけがんが増え続ける今、近親者ががんを患った方など、1年ごとの検診で大丈夫と言われても、漠然とした不安が残るものだと思います。

実はコスト以外にも大きな問題があります。それは、「累積医療被ばく」です。一回検査あたりの被ばくはとても少ないのですが、繰り返し被ばくを受けることは、米国の放射線領域で最も権威のある科学雑誌でも懸念が伝えられています。高級がん検診として有名なPET-CT検査は大変に優れた検査法ですが、身体に放射性同位元素を注射します。①薬剤・装置の価格が高い、のに加え、② 8.5〜17.5mSvの被ばくもある(※)、という理由により数カ月おきに行うのは非現実的です。(※ PETとCTの合計被ばく線量)

しかし、MRIは全く放射線を用いず何度検査しても人体には無害です。このMRIを用いてがんスクリーニングができる方法が2004年に考案され、ごく最近、技術革新により短時間で施行可能になりました。このメリットを最大限に生かし、年1回の超低被ばくCT(肺がんチェック)を除き被ばく量がゼロで、4ヶ月毎に全身スクリーニングを行えるような、世界初のメニューを提案させていただきました。
「診断成績を誇張しない」という良心
PET検診では、その優秀性が強調されがちですが、実は胃がんなど「見つけるのが苦手ながん」があります。PET検診の初期には、弱点をきちんと伝えず、後々トラブルになった事例もあります。「完璧な方法」は世の中にまだ存在しませんし、仮に存在したとしても、前述のごとく1年の間に大きくなるがんは防げません。MRIも同様ですから、その優位性のみを強調することも妥当とは言えません。(開発者からのメッセージ(巻末)をご覧ください)

このため当院のプレミアムドックでは、「その1回での診断成績を誇る」という非現実的思考から脱し、MRIで苦手ながんも可能な限り見つけられるように、繰り返しMRI検査で多くを見つけ、他の検査も併用してなるべく見つかる確率を高くしようという、「医の良心」に基づくメニューといたしました。①胃部内視鏡 ②大腸内視鏡 ③胸部CT 等を併用いたします。なおかつ脳ドックも料金の中に含みますので、脳動脈や梗塞を調べられる特典も合わせて獲得いただけます。

年3回受けていただくのは大変ですが、引き換えにずっと大きな安心が手に入ります。そのメリットを最大限享受していただくために、各受診時に検査を分けて受けていただくことで過大な負担を避け、さらに専門の医師が直接皆様に説明を行う時間を取ることで、本当の意味で親切な、また見逃しの少ない総合診療体制を目指します。従来、このような繰り返しアプローチは全く行われておりません。浜松市から世界に先駆けてこの画期的な方法をご提案いたします。
HST方式
当院の「準無被ばく・繰り返しがんドック」で用いる画期的な方式には、HST方式(Hamamatsu-Suzukake-Takahara method)という命名がなされました。浜松発祥の方法として、広く普及を目指して行きたいと考えています。

HSTは、以下のような意味合いもあります。
  • ハッブル宇宙望遠鏡 Hubble Space Telescope
  • 超音速旅客機 Hyper-Sonic Transport
  • イギリス新幹線 High-Speed Train
これらの言葉から得られる「全体を監視できる」「細かいところまでみることができる」「すばやくみつける」というイメージと重ねて命名がなされました。

プレミアム・がんドックの流れ

MRI (magnetic resonance imaging)
by Philips Ingenia 3.0Tesra
CT (computed tomography)
by TOSHIBA Aquilion PRIME

全身検索によるMRI検査

従来からあるT1強調画像・T2強調画像のほかに、がんのスクリーニングを行うことのできる拡散強調画像(DWI)を用いてMRI撮影を行います。当院では、世界に先駆けて全身DWIの撮影法(DWIBS法)を開発した医師が直接指導して、撮影品質を管理しています。
DWIBS:Diffusion weighted whole body imaging with background body signal suppression 

超低被ばく線量による胸部CT検査

最新鋭の画像再構成プログラムを採用することにより、従来1/10の被ばく線量で検診可能な質の画像を作り出します。

開発者からのメッセージ

高原太郎氏
Taro Takahara MD, PhD
 
東海大学 工学部 医用生体工学科 教授
医学博士・放射線科専門医
Professor, Department of Biological Engineering,
Tokai University, School of Biological Engineering

1961年東京生まれ。88年秋田大学医学部卒業。慶応義塾大学医学部小児科で研修後、90年独協医科大学放射線科で研修、92年聖マリアンナ医科大学放射線科に。07年オランダユレヒト大学放射線科客員准教授。10年から現職。
このドックで用いられている全身MRI検査には、拡散強調画像(DWI)と呼ばれる画像が用いられています。これは脳梗塞の画像診断に役立ってきましたが、脳以外の部分への応用に問題がありました。私は2004年にこれを解決し、身体のがんスクリーニングに用いることができるアイデアを得て、DWIBS(ドゥイブス)法として報告をしたしました。このニュースは全国紙の1面掲載となり、後には多数の権威ある英文雑誌にreviewなどで掲載されることとなりました。当時は撮影に1時間以上を要しましたが、最近の技術革新で30分未満となり、広く臨床応用できるようになりました。
本法は、被ばくゼロでがんスクリーニングができるという、極めて優れた特長を有するのですが、1回だけの検査で画像に写ったものが病変かどうかを識別するのに難しい場合があります。開発者の良心として、また医師として、今まで検診に用いてこなかった大きな理由です。私の開発した方法を用い、すでにドックを始めたところもあるようですが、私には「決して誇大広告はしたくない、商業主義には陥りたくない」という思いが強くあり一線を画しておりました。しかし、今回、父のがん発病をきっかけとして、なんとか解決できないかを改めて真剣に考え、「無被ばくなので繰り返し可能」という特長を活かせば、実用的な精度で解決できることに気づきました。このたび、鈴木一也院長が世界初のドックを設立してくださいましたので、「無被ばく・繰り返し」で皆様の健康を守りたいと考えております。
主な論文・著書
• MRI自由自在(メジカルビュー社)
• Diffusion weighted whole body imaging with background body signal suppression (DWIBS): technical improvement using free breathing, STIR and high resolution 3D display. Takahara T, Imai Y, Yamashita T, Yasuda S, Nasu S, Van Cauteren M. Radiat Med. 2004 Jul-Aug;22(4):275-82.
• Complementary roles of whole-body diffusion-weighted MRI and 18F-FDG PET: the state of the art and potential applications. Kwee TC, Takahara T, Ochiai R, Koh DM, Ohno Y, Nakanishi K, Niwa T, Chenevert TL, Luijten PR, Alavi A. J Nucl Med. 2010 Oct;51(10):1549-58. Review.
• Diffusion-weighted MR neurography of the brachial plexus: feasibility study. Takahara T, Hendrikse J, Yamashita T, Mali WP, Kwee TC, Imai Y, Luijten PR. Radiology. 2008 Nov;249(2):653-60. Epub 2008 Sep 16.
• Whole-body magnetic resonance neurography. Yamashita T, Kwee TC, Takahara T. N Engl J Med. 2009 Jul 30;361(5):538-9.
(他に多数の関連技術英語論文あり)

拡散強調画像Q&A

拡散強調画像はどのようなものなのですか。
拡散強調画像(DWI)というのは、MRIの撮影法の一種です。脳梗塞の画像診断で威力を発揮していますが、2000年ごろから、「がんの検出」に大きな効果があることがわかりました。
どのような原理で撮影をしているのですか。
拡散強調画像(DWI)は、身体の組織の「水分子の動きやすさ(拡散)」を表した画像です。がんのように急速に増殖する組織は、細胞と細胞がギチギチに詰まっていますが、このような状態は、周りの正常組織(細胞と細胞がそれほど混み合っていない)とは異なり、水が動きにくくなっています。この部分を強調して撮影しています。
画像を白黒反転させると聞きましたが、それはなぜですか。
拡散強調画像(DWI)では、病変は白く(高信号に)、また周囲の正常組織は黒く(低信号に)写ります。ところがPETは昔から病変部を黒く表示していました。これは、そのほうが視覚的に異常部分を認識しやすかったからです。このため、拡散強調画像でも同様に白黒を反転し、病変を黒く表示しています。病院によっては、白黒を反転していないところもありますが、いずれにしても、「病変部が目立つ」ように見えますので、特に難しく考える必要はありません。
PETと似た画像が得られるということですが、どのような違いがありますか。
がん組織が目立ち、それ以外が目立たないように表現されるということは同じですが、撮影の原理が異なります。PETではブドウ糖を消費しているところ(がんはブドウ糖をものすごく消費する)が、拡散強調画像(DWI)では水分子の運動が乏しいところ(がんは水分子の運動が乏しい)が強調されます。多くの場合、同じようなところが光るのですが、PETでは尿路系の組織に薬が集まりますから、正常でも尿路系が光り、この周囲の病変検出は苦手です。DWIでは空気のあるところや心臓の周りの描出が苦手です。このためこれらの弱点を上手に拾う他の検査も必要です。PETは放射線被ばくがありますが、DWIでは被ばくはゼロです。またPETでは事前安静と注射が必要ですが、DWIでは不要です。PETでは悪性のリンパ節のみ光りますが、DWIではリンパ節の悪性・良性の判断はできません(このため複数回撮影して、変化をみることで識別する努力がなされます)。
正常な構造物も光ると聞きましたが、どのようなものが光りますか。
以下にあげる組織が高信号に写ります。脳・唾液腺(耳下腺など)・脾臓・卵巣・前立腺・リンパ節など。そのほかに若年者の骨髄も高信号を示します。これらの組織に発生するがんはもともとの組織が高信号のため、がんが生じてもわかりにくくなります。これを避けるために、通常の撮影(DWIでないMRI撮影)も追加します。
腫瘍以外にも光るものがあると聞きましたが、どのようなものが光りますか。
腫瘍のほか、炎症のあるところ(特に膿が溜まっているところ)や、粘調な液体のあるところ(例えば腸管内容物)も高信号に写る場合があります。したがって、「光っている」ところのうち、異常な部分がどこかを、他の画像も参考にして判断します。
表示上の注意として、「明るさとコントラスト」の調整が重要だと聞きました。
そのとおりです。医学ではこれは「Window」と読んでいます。一般にリンパ節や脾臓など、もともと(白黒反転画像で)黒く写るものを、十分に黒くして表示しないと、病変を見逃すことがあります。
「ミップ画像」と「元画像」というのがあると聞きました。
はい。ミップ画像というのは、Maximum Intensity Projection(最大値投影画像)と言って、画像を立体的に表示する画像です。これを使うと、くるくると回転させて見ることができます。一方で、元画像とか再構成画像というのは、薄くスライスした画像のことです。一般的に、MIP画像は全体の分布や、全体の中の位置を見るのに用います。一方細かい部分が隠されてしまいますので、元画像をよく見て、小さい病変をチェックします。
他の画像と見比べる必要があると聞きました。
その通りです。DWIは、腫瘍など、一部分しか写りませんから、他の画像(T1強調画像やT2強調画像)などとよく見比べることにより、「病変がどこにあるか」とよく見極める必要があります。また、これらの画像でどんな信号を出しているかで、その性状もわかるのです。例えば、T1強調画像で白いものは、脂肪を持っている可能性があるとか、T2強調画像で白いものは、水がたくさんあると判断したりするわけです。

ガン検診を受けてください

高原 真(たかはら まこと)

私は生来几帳面な性格で、決められたルールを守ることは私の人生で一番の優先事項です。健康診断も、1年に一度と決められたとおりに、83歳まで、一回もかかさずにずっと行ってきました。ところが、妻に認知症状が出てから、妻の食事の準備や片づけ、介護などをするようになり、疲れや忙しさも手伝って、健康診断をしばらくの間受けない時期が続きました。それまでずっとまじめに受けていて、ほとんど異常がなかったので、「自分にはガンはできない」と慢心していたのかもしれません。
妻は昨年11月に、腎盂腎炎を契機に発生した敗血症で急逝してしまいました。実はその数カ月前から、なぜか毎日記録をつけていた私の体重が徐々に減り、食欲がなくなってきていたので、「おかしい、検査を受けなくては」と思っていた矢先のことでした。通夜の席で、医師である息子に私の症状を告げたのですが、息子は医師の勘でおかしいと思ったのでしょう、すぐに検査を予約しました。その結果、進行した大腸ガンと、多発肝転移が見つかったのです。
お陰様で、抗癌剤の効果は一時的には良く、私は3月に予定されていた趣味の絵画の個展を、なんとか開くことができ、多数の旧友に会うことができました。これは本当に幸運だったと思います。しかし、検診を受けるわずかな時間や費用に比べたら、私に今起こっているさまざまな事柄は、比べ物にならないくらい大きな負担です。また、他人に迷惑をかけず生きることを是としてきた私は、温かい家族の心に感謝する一方で、彼らの時間を奪うことを申し訳なく思っています。
私の息子は、MRIの検査法を考案して学会で認められながらも、それを社会に還元できていなかったことを悔いているようです。私の病気が見つかってからというもの、がんのスクリーニングをどうしたらよいか悩み、今回の特別な検診方法を考え、実践するに至ったと聞きました。親ばかではあるかもしれませんが、私自身の経験を通して、ここで提案されていることは、心から大切だと思います。どうかみなさん、検診を受けて、そしてがんを小さいうちに見つけ、より良い人生をお送りください。
 
この方式は、検査品質を担保する目的で、安易な類似検査がなされないよう、医療法人弘遠会と高原太郎が商標登録を申請中です。開発者である高原太郎は、専門医の目から見た画質コントロールと運用が必須だと考えています。同様の検査をお考えの医療機関はあらかじめご相談ください。

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