血液の循環に関係する臓器(心臓、大動脈)に、不安をお持ちの方へ。
当院循環器内科では血液の循環に関係する臓器(心臓、大動脈)の病気の方に対する診察・治療を行っています。「動悸がする」、「息苦しい」、「胸が苦しくなる」などの自覚症状がある方、または健康診断などで「心電図に異常があると言われた」方は心臓病の疑いがありますので、一度、受診されることをお勧めします。
主な対象疾患
冠動脈疾患
心臓を栄養している血管を冠動脈といいます。その冠動脈が動脈硬化により狭窄したり閉塞して、胸痛や冷汗・呼吸苦などの症状が出る疾患です。
急性心筋梗塞、不安定狭心症、狭心症などがあります。
閉塞性動脈硬化症
足の血管の動脈硬化により、歩いているときにふくらはぎが痛くなったり、進行するとじっとしていても冷感やしびれ、痛みを感じる疾患です。
下肢閉塞性動脈硬化症、重症下肢虚血などがあります。
心不全
心臓は全身に血液を運ぶポンプとして働いています。この「心臓のポンプとしての働きが十分でなくなった結果生じた体の不具合をあらわす状態」を心不全といいます。原因はいろいろあり、心筋梗塞や心臓弁膜症の心臓病はもちろん、例えば高血圧や腎不全、栄養不良など長年、心臓に負担がかかっている場合などでも、次第にその働きが落ち、心不全の原因となります。
高血圧症
血圧とは心臓が血液を送り込む圧力(血管内で血管を押す力)のことです。繰り返しの血圧測定で最高血圧が140mmHg以上あるいは最低血圧が90mmHg以上のものを高血圧症といいます。
不整脈
心臓は筋肉でできていますが、電気的な刺激を出して、伝導していくことでバランスよく働いています。この電気刺激系の障害により生じる病気です。
心房細動、粗動、発作性上室性頻拍などがあります。
弁膜症
心臓には4つの部屋があり、それぞれに血液の逆流を防ぐ弁があります。その弁の障害により生じる病気です。
僧房弁狭窄症、僧房弁逆流症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁逆流症などがあります。
心筋症
心臓の筋肉自体の病気です。心筋が厚くなったり、薄くなったりして働きが悪くなります。ウイルスが炎症を起こしたり、遺伝的に生じることなどがあります。
拡張型心筋症、肥大型心筋症、心筋炎などがあります。
大動脈疾患
大動脈の動脈硬化や炎症によって生じる病気です。血管が裂けたり、大きく膨らんだりすることがあります。
大動脈解離症、大動脈瘤、大動脈炎などがあります。
血栓性静脈疾患
静脈にできた血栓により生じる病気です。長時間の安静や骨折後などでみられます。
肺塞栓症、深部静脈血栓症などがあります。
行っている主な検査
生理検査
心臓の機能や働きを調べます。
心電図、負荷心電図、24時間ホルター心電図、ABI(下肢上肢血圧測定)など
心臓超音波検査
心臓の動きや血液の流れを確認することができます。心臓の壁一部の動きに異常がある心筋梗塞や、弁の機能に異常がある心臓弁膜症の有無や程度がわかります。また薬剤を点滴して心筋の虚血を誘発するドブタミン負荷心エコーや3次元で心臓の構造を確認する3Dエコーなどもあります。
冠動脈CT(80列CT)
冠動脈を撮影することができます。これによって冠動脈の状態を把握できます。冠動脈に狭窄や閉塞があるかどうか、また血管壁の動脈硬化病変が安定しているか不安定なのかもある程度わかります。
心臓MRI検査
心臓の筋肉の状態や壁運動異常を撮影できます。心筋梗塞の程度や心筋症での進行具合が確認できます。
冠動脈造影
心臓を栄養としている冠動脈に狭窄や閉塞があるかどうかを調べることができる検査です。手首や肘、足の付け根の動脈からカテーテルという細い管を入れ、冠動脈の入り口から造影剤を注入して冠動脈の形態を撮影します。これによって治療方針を正確に決定することができます。
下肢動脈造影
下肢の動脈に狭窄や閉塞があるかどうかを調べることができる検査です。手首や足の付け根の動脈からカテーテルを入れ、足の動脈の形態を撮影します。これにより治療方針(血管内治療か外科的手術)を決定します。
頚動脈造影
脳梗塞や一過性脳虚血発作による運動麻痺の原因となる頚動脈狭窄があるかどうかを調べることができる検査です。これにより治療方針(血管内治療か外科的手術)を決定します。
腎動脈造影検査
2次性高血圧症の原因の1つである腎動脈の狭窄を調べることができる検査です。これにより治療方針を決定します。